2026年8月
障害年金相談番外編(知人や遠い親族、違法な依頼、AI教)
障害年金コンサルタント、社会保険労務士の中島です。
本当に小さな事務所ですが、色々なお問い合わせをいただき、都度、真摯にご対応させていただいております。現在までに記録している直近2000件のご相談内容を整理、振り返る中、ちょっと困ったな、と思った類の相談のパターンが見えてきたので、番外編として、ご紹介します。
ご本人様以外の方からのお問い合わせ
直近の2000件のご相談の中で、ご本人様以外の方からのお問い合わせは7.1%でした。
正直、ご家族からのお問い合わせであれば、色々とヒアリングができる可能性があり、全く問題ありませんが、知人、友人です、という方や、甥、姪、叔父伯母等少し遠い親族の方だと、ご本人様の国民年金保険料の納付状況はほとんど知らない、ということになり、請求自体が成立するのか、という「そもそも論」から入る必要があり、電話での会話が何のための時間なのか、分からなくなってしまうことがあります。
ご病状を深く理解しているようにも考えられず、ご本人様の意向として、本当に障害年金の請求を希望されているのか?と疑問に感じるケースもあります。
本来の初診日を認めたくない方等
明らかな違法行為についての依頼、と考えられる方は0.4%でした。
法令上、
第三章 社会保険労務士の権利及び義務
(不正行為の指示等の禁止)
第十五条 社会保険労務士は、不正に労働社会保険諸法令に基づく保険給付を受けること、不正に労働社会保険諸法令に基づく保険料の賦課又は徴収を免れることその他労働社会保険諸法令に違反する行為について指示をし、相談に応じ、その他これらに類する行為をしてはならない。第六章 罰則
第三十二条 第十五条(第二十五条の二十において準用する場合を含む。)の規定に違反した者は、三年以下の拘禁刑又は二百万円以下の罰金に処する。
とされており、当事務所では応じることはありません。
かなり社会的な立場がしっかりした方が、もの凄く丁寧な口調で、
「何かあれば、そちらでどうにか(改ざんのことと考えられます。)してくれるのでよね?」と話されたりしたことがあり、寒気がしたことを覚えています。
当事務所では、調査、確認を通して収集した資料を基に、最適な形で、障害年金の受給権が発生するよう、手続きを進めております。
ChatGPT(AI)がこう言っている
これは最近、複数件、お問い合わせの会話の中で出てきた言葉です。
一定程度、人工知能が活用されることは望ましい、と思いますが、完全に間違った答えを鵜呑みにして、障害年金の手続きをかなり簡単なものと理解している方が増えてきました。
人工知能は責任を取らず、手続き自体を代行しません。
高速でデータを処理し、高度な計算によって提案を行う人工知能の利点は今後も増えていくと考えられますが、責任の所在は人間の側にあることを自覚しなければ、無責任な意見に支配されてしまい、手続き全体が不安定なものとなる可能性があります。
こんな時代だからこそ、専門家も活用し甲斐があるのではないでしょうか。
まとめ
お問い合わせをいただくことは大変有難いことですが、お互いにとって無意味な時間になることは良いことではないと思います。ご紹介したパターンのお問い合わせで見えてくる背景としては、障害年金の手続きは、請求する方の人生に大きく影響を及ぼす重要なもの、という視点が抜け落ちていることです。
障害等級等によって、支給される金額の差はありますが、生きていく過程で、2か月に1回、お金が振り込まれる、ということを生じさせる手続きが簡単なはずがない、という基本的な認識を元々持っている方か、そうでないか、という点は、この手続きの話だけでは済まないテーマかもしれません。
お一人お一人の生き方、考え方がお問い合わせの中に現れているように感じます。
東京都にお住まいの双極性感情障害を治療されているお客様の更新時無料アドバイス後の声(障害基礎年金2級で受給権発生)
障害年金コンサルタント、社会保険労務士の対応はいかがでしたでしょうか。
・問い合わせへの対応がとても早く、不安な中でも安心してやり取りを進めることができました。質問すると、1つひとつ具体的に、噛みくだいて説明してくださるので、複雑な手続きも少しずつ理解することができました。
・こちらの状況に応じてスケジュール調整してくださるなど、柔軟に対応していただけたこともとても有り難かったです。きちんと耳を傾けてくださり、安心して相談できました。
・同じような質問をくり返してしまった際も、嫌な顔せず、丁寧に対応してくださり、信頼が深まりました。「この方にお願いして難しければ仕方ない」と思えたほど、誠実に向き合ってくださいました。
・手続きの難しさへの不安や焦りを支えていただき、本当に感謝しています。
Q. 今はうつ病で心療内科に通っていますが、最初に体調を崩したときは内科にかかっていました。初診日はどちらになりますか?
A. 初診日は診療科ではなく「うつ病の原因となった症状で初めて医師にかかった日」で判断するため、最初にかかった内科が初診日になる可能性が高いです。
国の障害認定基準のとおり、メンタル関係の初診日は精神科、心療内科を標榜する診療科における受診に限定されません。
うつ病でも、不眠・頭痛・倦怠感などで最初に受診した内科・産婦人科・外科などが初診日と認定されることがあります。
年金事務所への書類提出後、照会によって、追加の資料提出を求められることもあり、初診日が過去にさかのぼると、その時点で加入していた年金制度が厚生年金保険から国民年金に変わり、受給できる年金の種類や金額(当事務所の受給実績では年額約80万〜140万円)が変わることがあります。
見通しを誤ると手続き全体が混乱するため、最初の切り分けが重要です。様々な可能性を考慮して、当事務所では、障害基礎年金と障害給付(障害基礎年金と障害厚生年金)の同時請求を行うこともあります。
カルテの保存期間を過ぎて初診の証明が取りにくい場合でも、受診状況等証明書に代わる資料で立証する方法を検討します。
当事務所は関係者と「戦わずして」受給まで進める方針で、350件以上の実績があります。
※どの受診日が初診日になるかは個別の経過により異なります。判断を誤らないためにも、無料相談で受診歴を整理することをおすすめします(詳細は事前のお見積り・面談でご確認ください)。
Q. うつ病で障害年金を申請したいのですが、最初にかかった病院がいつだったか思い出せません。初診日がわからなくても請求できますか?
A1. 初診日が今すぐ思い出せなくても、障害年金の請求をあきらめる必要はありません。
まず、初診日とは「うつ病の原因となった症状で初めて医師の診療を受けた日」を指します。精神科・心療内科に限らず、不眠や倦怠感などで最初にかかった内科なども対象になるため、思い当たる受診歴をすべて洗い出すことから始めます。
当事務所は精神・知的障害の分野のみで請求代行実績が350件以上あり、診察券・お薬手帳・領収書・紹介状といった周辺資料から初診日を組み立てる作業を数多く手がけてきました。
初診の病院と現在の病院が違う場合は「受診状況等証明書」を初診の病院で作成しますが、廃院やカルテ廃棄で取得が難しいときも、ご依頼いただければ、既にお手元にある資料や国民年金保険料、厚生年金保険料の納付状況等から、通達で許容されている手続きが可能であるか、検討しつつ、代わりとなる資料を収集します。
ケースバイケースですが、複数枚、受診状況等証明書が必要になる場合もあり、注意が必要です。
費用は着手金0円・報酬完全後払い制で、手続きは郵送・電話・メールのみ、全国どこからでも完結できます(事務所は東京都千代田区神田三崎町/JR 水道橋駅徒歩3分)。
※初診日の認定は個別のご事情により結論が変わります。まずは無料相談で受診の経過をお聞かせください(詳細は事前の面談でご確認ください)。
障害年金請求思い出3選(死後の請求、未納ONLY、ギリ)
障害年金コンサルタント、社会保険労務士の中島です。
本当に小さな事務所ですが、色々なお問い合わせをいただき、都度、真摯にご対応させていただいております。現在までに記録している直近2000件のご相談内容を整理、振り返る中、思い出に残っている方を紹介します。
死後の請求
「妻が自殺してしまいました。」というお問い合わせがあり、遺族年金の請求をしつつ、過去の症状に関する診断書を取り寄せ、障害年金としては、障害認定日による請求を行う、という方針で手続きを進めていた方がいました。障害年金については、死後であっても、障害認定日時点のカルテがあれば、その時点の診断書によって障害年金の請求を行うことができます。
ご本人様がお亡くなりになっていても、さかのぼり受給が決まれば、何か少しでも、今後の助けになったのだと思います。
しかし、現実は厳しいものでした。
旦那様から聞いていた治療経過に基づき、資料の収集をしていくと、ご結婚される前からメンタル関係の治療をされていて、当初の想定より遥か前の時点に初診日があることが分かりました。かなり無理な形で請求手続きを進めましたが、障害認定日の時点においては、通院はされていても、障害等級に該当するような状態ではなく、結果、不支給となりました。
長い結婚生活の中で、ご夫婦の間でもお話していなかったことがあり、そのことを、私の方が先に知ってしまう、という出来事から、この仕事は正直、大変だな、と感じたことを今でも覚えています。
公的な給付に関しては、遺族年金が残ったことが、唯一の救い、と解釈せざるを得ない出来事でした。
未納しかない中で
この未納を示す記号(*)だらけの納付記録を年金事務所窓口で確認し、「これは大変だ」と思ったことを覚えています。(お問い合わせの段階で、どういう意図なのか、未納は無い、とおっしゃっていましたから。)それでも、この方については、受給権発生まで手続きし、5年分のさかのぼり受給にもなっています。障害年金に詳しい方であれば、「20歳前の傷病による障害基礎年金だろう。」と考える方もいると思います。しかし、この方は20歳前傷病として手続きしていません。
法令上、
国民年金法 (支給要件)
第三十条 障害基礎年金は、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において次の各号のいずれかに該当した者が、当該初診日から起算して一年六月を経過した日(その期間内にその傷病が治つた場合においては、その治つた日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至つた日を含む。)とし、以下「障害認定日」という。)において、その傷病により次項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときに、その者に支給する。ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の三分の二に満たないときは、この限りでない。
とあり、但し書きにあるとおり「初診日の属する月の前々月までに被保険者期間」がある方は、保険料納付済期間と保険料免除期間を問われることになっています。
日本に住んでいる場合、国籍を問わず、20歳の誕生日の前日のある月から国民年金への加入が義務となっていますが、この方は、20歳の誕生日の前日のある月の翌々月に初診日があり、「初診日の属する月の前々月までに被保険者期間」の無い方でした。加入直後に初診日があるため、保険料について問われることがなく、20歳前傷病に基づく障害基礎年金でもない、というケースです。尚、20歳到達以後、1年6か月程度は、未納のままですが、障害基礎年金2級の受給権が発生し、今はほとんど全てが法定免除となっています。今後、ご病気が回復され、仮に65歳以降に老齢基礎年金を受給することになっても、法定免除期間は半額納付扱いとして記録され、その分の年金額は老後の安心に繋がるはずです。
あと1日遅かったら
請求手続き自体は、障害基礎年金2級で受給権が発生し、現在も受給中の方ですが、この方も、納付記録を年金事務所窓口で受け取った際、「これは際どい」と思ったことを覚えています。法令上、
第九十条 次の各号のいずれかに該当する被保険者等から申請があつたときは、厚生労働大臣は、その指定する期間(中略)に係る保険料につき、既に納付されたものを除き、これを納付することを要しないものとし、申請のあつた日以後、当該保険料に係る期間を第五条第三項に規定する保険料全額免除期間(第九十四条第一項の規定により追納が行われた場合にあつては、当該追納に係る期間を除く。)に算入することができる。(中略)
2 前項の規定による処分があつたときは、年金給付の支給要件及び額に関する規定の適用については、その処分は、当該申請のあつた日にされたものとみなす。第九十条の三 次の各号のいずれかに該当する学生等である被保険者又は学生等であつた被保険者等から申請があつたときは、厚生労働大臣は、その指定する期間(学生等である期間又は学生等であつた期間に限る。)に係る保険料につき、既に納付されたものを除き、これを納付することを要しないものとし、申請のあつた日以後、当該保険料に係る期間を第五条第三項に規定する保険料全額免除期間(中略)に算入することができる。
(中略)
2 第九十条第二項の規定は、前項の場合に準用する。
3 第一項第一号に規定する所得の範囲及びその額の計算方法は、政令で定める。
となっています。この「申請のあつた日にされたものとみなす。」という部分がポイントです。
この方の学生納付特例の申請日は平成23年3月30日、初診日は平成23年3月31日でした。本当に、あと1日、学生納付特例の申請が遅れていれば、「当該傷病に係る初診日の前日において」、20歳の誕生日の前日のある月から「当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間」がありますから、ここは全て未納、という結果になっていたのです。
まとめ
初診日が想定より遥か前の時点にあった場合、納付や免除申請の状況等、当事務所が関与する前に起きている出来事を整理して、全ては法令に基づき、「事務」として、どう進めるか、という点から考えながら、日々、色々な方と向き合っていますが、何とかなる場合とならない場合があります。
特に、国民年金保険料が未納となること、免除申請が遅れることは決して良いことではありませんので、保険料の問題は簡単に考えず、一人一人が真剣に向き合っていただくことを願っています。
参考
印象に残った方(障害年金の相談レアケース3件)
障害年金コンサルタント、社会保険労務士の中島です。
本当に小さな事務所ですが、色々なお問い合わせをいただき、都度、真摯にご対応させていただいております。現在までに記録している直近2000件のご相談内容を整理、振り返る中、この相談は他の方とは質が違う、と感じる部分があったので、紹介します。
特級を求める方
既に障害厚生年金1級を受給している方で、障害年金の年金額について、増額を希望し、何らかの手続きがあれば、教えて欲しい、という内容のご相談でした。障害年金制度として、法令上、1級が上限であることをご説明したところ、現在、有期5年(5年に1回、日本年金機構に診断書提出が必要な方)で認定されているので、永久認定(今後、日本年金機構に診断書提出が不要な方)するために不服申し立てはできないか、というお話があり、審査請求では対象外であることをお伝えしました。
さらに、「5年に1回の通院で、1級相当の診断書を作成してくれる医師を紹介してください。」というご要望があり、ご要望にお応えできない旨、回答し、電話を終えています。
「物は相談」と言っても
お母様の件、ということでご子息から連絡があり、「発達障害関連の病名診断が受けた母が障害年金の請求をする中で、専門的職業の方(社会保険労務士ではありません。)に相談しながら手続きを進め、障害認定日時点の症状が記載された診断書と直近の症状が記載された診断書2枚を取得したところ、障害認定日時点において、軽作業に従事されていた旨、診断書に記載があり、このままでは障害認定日時点から受給権が発生することにならないのではないか、という不安から、何か病名が増えた方が良い、と勝手に考えた相談相手の方が『知的障害の診断を受けられるのであれば、受けた方が良い』とアドバイスをしてしまい、検査を受け、知的障害の病名診断に至ったことで、初診日が出生日、障害認定日が20歳の誕生日の前日になり、20歳の誕生日の前日前後3か月間では通院が無かったことから、障害認定日による請求ができなくなった。」というものでした。
より正確な病名診断を受けたことで、医療機関での治療は充実していくのだと思いますが、当事務所のヒアリングでは、十分、当初の状態で障害認定日時点から受給権が発生すると考えられる診断書内容でしたので、相談相手を選ぶ段階で、何かを見間違えていた、と思わざるを得ない相談でした。当事務所としての見解を伝え、その後、連絡はありません。
共済組合×3
この方は市役所職員(A共済組合)→公立学校職員(B共済組合)→都道府県職員(C共済組合)という流れで転職をされている方で、受任し、受給権発生まで手続きをしたのですが、治療経過として、初診日がA共済組合加入期間中にあり、障害認定日はB共済組合加入期間中にあり、直近はC共済組合加入中となっていました。
この場合、障害認定日時点の症状の審査はB共済組合、直近の症状の審査はC共済組合が行う、という形になるのですが、当事務所の方針として、C共済組合の審査が非常に厳しいことが想定できることや、直近の状況として、お仕事をお休みしている段階にあったこと等により、すぐに直近の症状に係る請求を行った方が良い、と判断し、手続きを進め、障害厚生年金3級で受給権発生しました。
その後、障害認定日時点の診断書を取り寄せ、B共済組合に請求し、ここでは、障害厚生年金2級となり、5年分のさかのぼり受給が行われ、B共済組合の審査結果と更新の時期の影響により、C共済組合でも障害厚生年金3級が2級に変更される、という経過を辿りました。B共済組合の審査結果により全てがひっくり返り、ご本人様は「奇跡が起きたのかと思った。」とお話していました。
まとめ
たった2000件のお問い合わせの中にも色々な方がいます。今回ご紹介した3件は、他の方のパターンとは違う、と感じた方々でした。世の中は広いので、奇想天外な思考、一筋縄ではいかない複雑な状況に陥っている方は、もっと沢山いると思われます。
お一人で色々な問題を抱え込んだりすれば、不安、不満が募りますし、相談相手を間違えれば、思いもよらない結果を招くこともあります。
良い未来のために、一つ一つの問題を分解し、丁寧に向き合うことが大事です。





