精神の障害年金と就労の関係
障害年金コンサルタント、社会保険労務士の中島です。
社会保険労務士事務所を開業して、色々な方の手続きに関わりましたが、少し振り返る余裕が出てきたように思います。
今回は、本当にお問い合わせの中で多くご質問を受ける「精神の障害年金と就労の関係」について、書いてみたいと思います。
精神の障害年金と就労の関係
まず、精神・知的障害の障害年金では病名ごとに等級認定の基準があり、就労の捉え方も異なります。
そして、等級認定の審査においては、治療経過、日常生活状況、診断書上の主治医の先生の所見等、判断の要素が多岐に亘り、一般雇用で、厚生年金保険に加入され、フルタイム勤務をされている方でも、2級の受給権発生まで至ることもあれば、福祉的就労もできず、無職であった方にもかかわらず、不支給となることもあります。
ケースバイケースの要素が大きく、色々な手続きに関わっていなければ、分からない点も多くあります。
実態として
よく、「いくらまで収入を得ていると不支給になりますか?」という質問を受けますが、精神の障害年金では、健康保険の被扶養者のように、収入要件で一律に等級を区切っておらず、実態として、労働に制限を受けているのか、という点が重要になります。
例えば、一般雇用でも、入社後にご病気になり(もしくは、ご病気であることが分かり)、ご病気に理解のある職場において、難しい仕事を複数掛け持ち、社内での連絡調整をしながら、プロジェクトを推進することができないので、本来、採用された際に期待されていた役割と異なり、簡単な仕事をすることになるケースがあります。
この場合、社内報を各部署に配布したり、帳票を綴ったり、テプラでファイル整理をしたり、形式的には一般雇用でも、実態として簡易な単純作業のみ従事し、労働に制限を受けている状態の方、として、障害等級に該当する場合があります。
無職の状態でも
無職である、ということが、実態としてお仕事ができない状態と同じであるか、という視点も重要です。
病名や初診日において加入されていた制度によっても異なりますが、特に単身で生活されている方は、実態として、福祉サービス等、何の支援も受けず、日常生活に制限を受けていないのであれば、障害等級に該当しないケースがあります。
また、かなり前ですが、無職の状態で親元で生活されていて、入院生活もあり、障害年金請求の手続きを進めた方がいたのですが、不支給決定となり、不服申立てを行い、新しい証拠も提出し、社会保険審査会の公開審理では、中立な立場の参与の方からも、障害等級に該当する、とおっしゃっていただきましたが、棄却され、郵送されてきた裁決書では、理由の全てではありませんが、「その後の厚生年金保険の加入歴から、障害認定日の時点において、就職活動をすることが可能だったと判断できる」旨の記載があり、障害認定日による請求(所謂、遡及請求)では、その後の経過についても、重要であることは確かです。
日常生活状況や治療経過等、審査の項目は多岐に亘りますので、無職(もしくは休職)の状態であることのみで、障害年金が受給できる、とは判断できません。
ヒアリングにおいて
病名ごとに異なる基準で審査が行われていますので、お問い合わせいただいた方には、実態として、障害年金で謂う所の障害等級に該当するか、どうか、という点でヒアリングをさせていただきます。
就労以外の色々な面から障害年金を受給できる可能性を判断しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

