障害年金の更新 その2(その後の治療経過等が大事です)
障害年金コンサルタント、社会保険労務士の中島です。
本当に小さな事務所ですが、色々なお問い合わせをいただき、都度、真摯にご対応させていただいております。
以前、障害年金の更新について、記事を書いたことがありましたが、現在までに記録している直近2000件のご相談内容を整理したところ、4.4%の方は既に受給権発生に至っている方で、更新の時に不安がある、というご事情であることが分かり、再度、書いてみたい、と思います。
通院をしなくなってしまった
障害年金を受給してから、通院をしなくなってしまった、という方が一定数います。
年金証書すら紛失し、次回診断書提出年月も分からないまま過ごし、更新の診断書が日本年金機構から自宅に届き、「どうしよう…」となっている方、環境の変化によって、通院しない(できない)まま過ぎてしまった、面倒だったという方等、様々ですが、如何なる事情にせよ、通院をしていない、ということであれば、通院をせずに過ごすことができた、ということでもあり、また、突然、通院を再開されても、中断期間の経過が主治医の先生には分らず、診断書の作成が進まないことがあります。
本当の意味で、お元気になられて、主治医の先生からも、問題が無い、というご判断があって、通院しないまま過ごしていた、ということであれば、良いのですが、少しは元気になってきた、(でも、障害年金が無くなってしまっては困る)という位であれば、自己判断に頼って、通院を中断することは、お勧めできません。
転院の有無
通院は継続していても、転院されている、という方も大勢います。
この場合、裁定請求(障害年金の受給権を発生させるための請求)の時に診断書を作成していただいた主治医の先生から離れ、別の先生の下で治療が続いている、ということになりますが、お医者様ごとに医学的なご判断をされますので、意外にも病名や日常生活の程度等が大きく変わることがあります。ご高齢等のご事情で引退されたお医者様の下で治療をされていた方で、仕方なく転院した挙句、全く違う治療方針になってしまった方もいらっしゃり、少なくとも転院する際は必ず、裁定請求の時の診断書の写しを持って、受診してください。(※1)
就労状況について
通院を継続し、転院もしていないけれど、少しは元気になってきた(障害年金が受給できた、という安心感もあるのかもしれません。)ので、お仕事に就く方も多いです。
精神・知的障害の障害年金では、この就労状況について、審査のポイントになる部分であり、「少しは元気になってきたけれど、障害年金の支給が停止しても困る」という微妙な状況にお悩みになり、どうすればいいのでしょうか、という問い合わせが多くあります。(※2)この部分は病名等により、等級認定の考え方が異なり、難しい分野です。せっかく障害年金の受給権が発生したにもかかわらず、支給停止が怖い、という考えの下、思い切ってお仕事ができない、という悩みを持つ方は多いのですが、少なくとも、仮に支給が停止したとしても、再度、体調が悪化された、ということであれば、支給を再開する手続きがありますので、あまり気にされる必要はない、とも思います。
日常生活状況等について
生きていれば、ライフステージの変化があり、こちらが障害年金に影響することもあります。結婚、離婚、転居等、人それぞれです。障害年金の等級認定に際して、日常生活活動能力について審査が行われますので、より自立していく方向になっている場合、お元気になってきた、ということにもなります。主治医の先生のご指導、治療の下、経過が良好であり、お体の具合が良い方向に向かっている、ということであれば、障害年金は支給停止となり、逆に不運が重なり、症状が悪化されている、ということであれば、額改定請求(上位等級への改定請求)を検討しなければなりません。
まとめ
受給権発生後の治療経過、日常生活状況、就労等、更新に際して、様々な審査が行われます。
ケースバイケースの世界ですが、支給停止=もう二度と障害年金が受給できない、ではない、と知っておくだけでも、心が軽くなるのではないでしょうか。人生山あり谷ありですから、お元気な時は支給が停止し、また症状が悪化されたときは、支給を再開する手続きを行う、ということで良いと思います。
※1 当事務所では、お客様の障害年金の請求手続きが完了した後、ご報告のお手紙と併せて、提出した診断書の写しをご自宅に郵送しております。
※2 当事務所では、当事務所にて手続きを行ったお客様に、受給権発生後のサービスとして更新時に無料でアドバイスをしています。治療経過等、詳細な確認が必要になるため、ご自身で手続きし、障害年金を受給されている方、他の事務所にて手続きが行われ、障害年金を受給されている方のお問い合わせは受け付けておりません。

